意外!?キャップケアのNG行動特集┃②オキシ漬け

意外!?キャップケアのNG行動特集┃②オキシ漬け

「頑固な汗ジミや黄ばみにはオキシ漬け!」

衣類やタオルのお手入れ方法として広く知られるようになった「オキシ漬け」。

SNSなどでも紹介されることが多く、キャップの黄ばみや汗ジミにも使っている方がいらっしゃいます。

しかし、私たち帽子クリーニングの立場からすると、

大切なキャップへの安易なオキシ漬けはおすすめしていません。

「酸素系漂白剤だから塩素系より安心」と思われがちですが、キャップには衣類とは少し違った注意点があります。

 

そもそも「オキシ漬け」とは?

一般的にオキシ漬けと呼ばれているのは、酸素系漂白剤を水やお湯に溶かし、一定時間つけ置きする方法です。

酸素系漂白剤は、汚れや色素に作用する「漂白」の力を利用して、通常の洗剤だけでは落としにくい黄ばみなどを除去します。

ここで重要なのが、

「塩素系漂白剤ではない=色や素材に影響しない」ではない

ということです。

酸素系漂白剤も、使用する濃度・温度・時間、そして帽子の素材や染色によっては、色調や素材に影響を与える可能性があります。

 

キャップで怖いのは「つけ置き」

キャップのオキシ漬けで特に注意したいのが、帽子全体を長時間液体に浸すことです。

キャップは表地だけで作られているわけではありません。

つばや芯材、スベリ、刺繍、ワッペン、アジャスター、金属パーツなど、性質の異なるさまざまな素材や部材が組み合わされています。

つまり、表地には問題のない処理でも、別のパーツには適していない可能性があるのです。

 

「色柄物にも使える」=「色落ちしない」ではありません

酸素系漂白剤には色柄物に使用できる製品もあります。

しかし、これはすべての染料・加工・使用条件において色落ちしないという意味ではありません。

長時間のつけ置きや濃度、液温などの条件によっては、色が薄くなったり、部分的な変色が起きたりする可能性があります。

さらに厄介なのが、帽子には複数の色が使われていることが多いこと。

例えば、濃色のつばと白いクラウンを組み合わせたキャップでは、つけ置きによって濃色部分から染料が流れ出し、白い部分へ色移りすることも考えられます。

さらに、見落としがちなのはスベリ(内側の帯の部分)の素材です。

本体が白でもこのスベリで使用されている布が黒などの色物の場合、そこからの色移りの可能性もあります。

 

黄ばみがあるからといって、強く漂白すればいいわけではありません

キャップに発生する黄ばみには、皮脂などの汚れが時間の経過とともに変化したものもあります。

こうした汚れでは、漂白だけを強く行うのではなく、まず原因となっている汚れを適切に除去してから、必要に応じて漂白処理を行うという考え方が重要です。

汚れが十分に除去されていない状態で「黄ばみが取れないから」と、濃度を上げたり、温度を上げたり、長時間つけ置きしたりすると、汚れだけでなく帽子そのものへの負担も大きくなってしまいます。

 

オキシ漬けそのものが「悪い」わけではありません

ここは誤解してほしくないポイントです。

オキシ漬けという方法自体が間違っているわけではなく、対象物と処理条件を選ぶ方法だということです。

素材、染色、構造などを確認したうえで適切な条件で使用すれば、酸素系漂白剤は非常に有効な処理方法です。

実際、私たちプロのクリーニングでも、酸化漂白という技術は汚れや黄ばみを除去するために使用します。

違いは、「とりあえず全部漬ける」のではなく、その帽子の状態を見ながら薬剤・濃度・温度・時間・処理する範囲などを判断すること。

キャップは見た目以上に複雑な製品です。

お気に入りのキャップほど、ネットで見つけた方法をいきなり試すのではなく、洗濯表示やメーカーの取扱方法を確認し、不安な場合は専門店へ相談することをおすすめします。

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